【最新版】カタログギフトの原価率はどれくらい？元が取れる当たり商品の選び方を解説

結婚式の引き出物、出産の内祝い、香典返し、あるいは会社の永年勤続表彰やキャンペーンの景品……。

私たちの人生の節目節目で、必ずと言っていいほど手渡される「カタログギフト」。

重厚なハードカバーの表紙を開き、パラパラとページをめくる瞬間の高揚感。

それはまるで、自分だけの小さなデパートをショッピングしているようなワクワク感に満ちています。

「どれにしようかな？」「あれもいいな、これも捨てがたいな」と迷う時間は、贈り主から頂いたもう一つのプレゼントと言えるかもしれません。

しかし、そんな幸せな悩みの一方で、ふと冷静になった瞬間に、こんな大人の邪念が頭をよぎったことはありませんか？

「これ、普通にお店で買ったらいくらなんだろう？」

「3,000円コースって聞いてたけど、この商品の定価、明らかに安くない？」

「せっかくなら、一番高いやつを選んで元を取りたい！ 損だけはしたくない！」

その感覚は、100％正しいものです。

カタログギフトは「夢」を贈る商品ですが、その裏側にはシビアな「ビジネスの論理」が働いています。

実は、同じ一冊のカタログの中に掲載されている商品であっても、「原価率が高く、選べば得をする当たり商品」と、「原価率が驚くほど低く、選ぶと損をしてしまう外れ商品」が、明確に混在しているのです。

その価格差は、なんと数千円にも及ぶことがあります。

同じカタログをもらったのに、Aさんは実質4,000円の価値がある高級和牛を手に入れ、Bさんは実質1,500円程度の無名雑貨を選んでしまった……なんて悲劇が、日本のどこかで毎日繰り返されているのです。

本記事では、カタログギフト業界の舞台裏とも言える料金設定のカラクリから、絶対に選んではいけない地雷商品の見分け方、そして金額ごとに用意された最強の「元取れ」商品まで、余すところなく徹底的に解説します。

単なる「おすすめ紹介」ではなく、賢い消費者のための「カタログギフト攻略マニュアル」です。

これを読み終わる頃には、あなたはもうカタログギフト選びで迷うことはなくなるでしょう。

それでは、カタログギフトの分厚いページの下に隠された「真実」を、一緒に紐解いていきましょう。

カタログギフトの原価率と当たり外れの仕組み

「カタログギフトなんて、どれを選んでもどうせ同じくらいの金額の商品が届くんでしょ？」

もしあなたがそう思っているなら、それは非常に危険な誤解です。

カタログギフト会社も、慈善事業ではありません。

そのため、カタログの中には巧妙に「利益を出しやすい商品」と「客寄せのための赤字覚悟の商品」がパズルのように配置されているのです。

まずは、私たちが普段目にすることのない、カタログギフトの「お金の仕組み」を解剖してみましょう。

敵を知り、己を知れば、百戦危うからずです。

カタログギフトの料金設定の仕組み

カタログギフトの販売価格は、純粋な「商品の代金」だけで構成されているわけではありません。

ここには、カタログギフトというビジネスモデル特有の、ある「経費」が含まれています。

業界用語でこれを「システム料」と呼びます。

「システム料」と聞くと、何かデジタルの管理費のようなものを想像するかもしれませんが、その内訳はもっと泥臭く、物理的なコストの集合体です。

具体的には、主に以下の3つの要素で構成されています。

では、具体的な数字で見てみましょう。

贈り主が「5,000円のカタログギフト」を購入した場合、そのお金はどのように配分されているのでしょうか。

項目	金額の目安	詳細・備考
カタログギフト販売価格	5,000円	贈り主が支払う総額
システム料	約800円〜1,000円	上記の経費 （送料・箱代・印刷費など）
実際の商品の予算	約4,000円〜4,200円	これが本当の商品価値！

衝撃の事実ですが、多くの「商品価格＋システム料込み型」のカタログでは、システム料（約800〜1,000円）を差し引くと、5,000円コースで実質の商品分はおおよそ4,000円前後になるケースが一般的です。

「なんだ、最初から1,000円近く引かれているのか……」とがっかりされたかもしれません。

しかし、これは「カタログギフトという便利なサービス」を利用するための手数料として、避けては通れない道なのです。

システム料は「配送費・編集費・箱代」などの実費部分が中心のため、コース金額が変わっても大幅には変動しにくい傾向があります。

3,000円のカタログでも、50,000円のカタログでも、商品を配送する送料や、箱の代金はほぼ同じ（約800円〜1,000円程度）です。

つまり、カタログのグレードが上がれば上がるほど、システム料の比率が下がり、純粋な商品原価の比率が高まるのです。

低価格帯のカタログほど元を取るのが難しく、高価格帯のカタログほど「お得な商品」が含まれている可能性が高い。

まずはこの基本構造を頭に叩き込んでおきましょう。

掲載商品の原価率の目安

さて、システム料を引いた残りの商品予算。

この予算内で、カタログ会社は商品を調達して掲載するわけですが、ここにも「原価率のバラつき」が存在します。

一般的な小売店での利益率と同様に、カタログギフトに掲載されている商品にも、仕入れ値の違いがあります。

仕入れ値の具体的な数字は公表されていませんが、カタログ内には「利益を削って掲載する目玉商品」と「仕入れが安く利益確保しやすい商品」が混在していると言われています。

実際には、以下のような極端な開きがあります。

私たちが目指すべきゴールは、原価率70％以上の当たり商品を見つけ出し、システム料で引かれた分を取り戻し、実質的な価値を最大化することです。

逆に、原価率30％の商品を選んでしまうと、5,000円のカタログをもらっておきながら、手元には実売価格1,200円程度の品物しか残らない……という悲しい結末を迎えることになります。

原価率が低くなりがちなジャンル

では、具体的にどのような商品が「原価率が低い（＝損する）」のでしょうか？

これらは、カタログの紙面上では非常に魅力的な写真で紹介されています。

「便利そう」「おしゃれ」「たくさん入っている」……そんな甘い言葉に騙されてはいけません。

掲載商品の中でコスパが悪いのは？

「原価率が低い」だけでなく、「市場価格（Amazonや楽天での実売価格）が、カタログの設定価格よりも圧倒的に暴落しているもの」も避けるべきです。

特に注意が必要なのが、「型落ちの家電製品」と「無名メーカーの便利グッズ」です。

家電の罠：モデルチェンジのタイムラグ

カタログギフトは、一度作成されると、半年から1年程度は同じ内容で流通します。

しかし、家電業界のサイクルは早く、数ヶ月ごとに新製品が出ます。

カタログが作られた時点では「最新モデル（定価5,000円）」だったハンディファンや毛玉取り器が、あなたがカタログを受け取った半年後には「型落ちモデル」となり、ネットショップで「在庫処分価格 2,000円」で叩き売られている……なんてことは日常茶飯事です。

カタログ上では「5,000円コースの商品」として堂々と載っていますが、実勢価格は半額以下。

便利グッズの罠：100均の進化

「電子レンジでパスタが茹でられる容器」や「野菜を細かく刻むチョッパー」。

確かに便利そうですが、最近ではこれらに似た商品が、100円ショップや300円ショップ（3COINSなど）で非常に高品質な形で売られています。

カタログで選んだ商品が届いてみたら、「あれ？ これダイソーで見たやつとほとんど変わらなくない？」となってしまうリスクが高いのです。

プラスチック成形の単純なキッチン便利グッズは、カタログギフトで選ぶにはもったいなさすぎます。

＜重要ポイント＞ スマホを取り出そう！

カタログを見ていて「お、このトースターいいな」「この美顔器欲しいな」と思ったら、必ずスマホを取り出してください。

商品名や型番をGoogleやAmazonの検索窓に入力しましょう。

もし、Amazonの実売価格がカタログのコース金額の半額以下だったら、それは選んではいけない「地雷商品」です。

欲しいものがない時に選ぶべき商品

ページを最初から最後まで3往復したけれど、「どうしても欲しいものがない……」。

そんな行き詰まった状況になることもあります。

特に、趣味が合わない雑貨ばかりのカタログだった場合は絶望的です。

そんな時、一番やってはいけないのが「まあ、これでいいか」と、用途の思いつかない謎の置物や、好みではない柄のバッグを選ぶことです。

それは届いた瞬間から「不用品」となり、やがてゴミになります。

欲しいものがない時の正解は、以下の守りの選択です。

カタログギフトで原価率が高い当たり商品5選

ここからは、攻めの姿勢に転じましょう。

具体的に「これを選べば間違いない！」「これを注文ハガキに書けば勝利確定！」という、高還元率のジャンルを5つ紹介します。

カタログがお手元にあるなら、まずは目次を見て、これらのページを真っ先にチェックしてください。

食品（精肉・海鮮・スイーツ）

生鮮食品（精肉・海鮮）は、カタログの目玉商品として原価を削って掲載されることが多く、コスパの高いジャンルです。

体験ギフトと並んで満足度の高い商品です。

実は、多くのカタログギフトにおいて、最も原価率が高い商品は、トップページ付近に掲載されている食品類なのです。

特に「ブランド和牛（すき焼き用、ステーキ用、焼肉用）」や「カニ・イクラ・ホタテなどの海鮮」は、そのカタログの顔です。

カタログ会社は、営業マンが贈り主（結婚式場や企業）にカタログを売り込む際、「見てください、当社のカタログにはこんなに立派な松阪牛が載っていますよ！」とアピールしたいのです。

そのため、見栄えが良く、誰もが喜ぶ高級食材は、利益を限界まで削ってでも良いものを載せる傾向があります。

日用品（タオル・洗剤・キッチン用品）

一見すると地味でつまらない選択に見える日用品。

しかし、実はこれこそが「プロが選ぶ隠れ高コスパ商品」なのです。

なぜなら、タオルや洗剤は家電と違ってモデルチェンジが少ないため、価格が大きく下落しにくいジャンルで、カタログでも安定した品質を期待できます。

家電のように発売から半年で半額になることはありません。

百貨店で買っても、ギフトショップで買っても、カタログで選んでも、価値が変わらないのです。

ブランド食器・カトラリー

「ル・クルーゼ」「ウェッジウッド」「ロイヤルコペンハーゲン」「イッタラ」「リチャードジノリ」……。

こうした世界的な有名ブランドの洋食器も、非常に狙い目です。

ブランド食器は正規販売店では大幅な値崩れが起きにくく、家電のように短期間で半額以下になることが少ない点が魅力です。

つまり、カタログギフトでこれらを選べば、確実に定価分の価値を手に入れられることになります。

逆に、聞いたことのないメーカーの「花柄のお皿5枚セット」などは原価率が低いので避けましょう。

「枚数」より「ブランドロゴ」で選ぶのが、食器選びの鉄則です。

メルカリなどで売る際のリセールバリューも、ブランド食器の方が圧倒的に高いです。

トースター・ケトル・美容家電など

先ほど「家電は型落ちのリスクがあるからコスパが悪い」と言いましたが、これには例外があります。

それは「人気ブランドの定番ロングセラー家電」です。

頻繁にモデルチェンジをしない、デザイン重視のキッチン家電などは、値崩れしにくく、カタログギフトでも大人気です。

ただし、念のためネット価格を確認し、極端な安売りがされていないかチェックする慎重さは忘れずに。

体験ギフト（食事券・温泉・エステ）

「モノ」ではなく「コト」を選ぶ体験ギフト。

実はこれが、全ジャンルの中で最強の原価率を叩き出すことがある秘密兵器です。

これらのチケットは、通常料金がそのまま設定されていることが多く、さらに「サービス料（10〜15％）」や「消費税」が含まれている場合、実質的な価値はカタログの金額以上になることもあります。

何より大きいのは「普段自分のお金では絶対に行かないような高級な場所に行ける」という心理的な価値（プライスレスな価値）です。

モノはいつか壊れたり飽きたりしますが、パートナーや家族と過ごした「素晴らしい食事の時間」や「温泉での癒やし」は、一生の思い出として残ります。

体験ギフトは、カタログギフト会社が施設側と提携して安く仕入れている場合もありますが、受け取る側の「満足度」という点では、原価率以上のパフォーマンスを発揮してくれます。

カタログギフトの金額ごとで原価率の高い商品

カタログギフトには、3,000円の手軽なコースから、50,000円以上の超豪華コースまで、様々なランクがあります。

実は、金額帯によって「狙うべきターゲット」は変わります。

低価格帯で家電を狙うのは自殺行為ですし、高価格帯でタオルをもらうのは少しもったいないかもしれません。

ここでは、もらったカタログの金額コース別に推奨するベストバイ商品を解説します。

約5,000円のカタログギフトで元が取れるもの（食品一択）

もっとも流通量が多く、結婚式の引き出物や内祝いの定番が、3,000円〜5,000円のコースです。

この価格帯は、前述の通りシステム料（約800円〜1000円）の比率が高く、商品原価が圧迫されています。

ここで形に残る「バッグ」「時計」「アクセサリー」などを選ぶと、非常にチープなものが届く可能性が高いです。

「安物買いの銭失い」ならぬ「タダでもらってガッカリ」になりかねません。

この価格帯の正解はこれ！

5,000円以下のコースでは、生鮮食品やスイーツなど“消え物”がもっとも満足度が高くなりやすい傾向があります。

例えば、3,000円クラスの「バッグ」はペラペラですが、3,000円クラスの「お菓子」や「レトルトカレー」は、デパ地下で売っているような最高級品です。

「低価格帯こそ、贅沢な消耗品を」…これが鉄則です！

約10,000円のカタログギフトで元が取れるもの（家電やブランド食器）

10,000円を超えてくると、世界が変わります。

選べる商品の幅がグッと広がり、システム料の比率も下がって、商品の質が安定してきます。

この価格帯から、ようやく「形に残るモノ」を選んでも失敗しにくくなります。

この価格帯の正解はこれ！

特にブランド食器は、ペアセットなどが充実してくる価格帯です。

自分でお金を出すには躊躇するけれど、あると食卓が華やぐ「ちょっと良いモノ」を狙いましょう。

また、お肉の量も増え、家族4人で楽しめるボリュームになってきます。

約20,000円のカタログギフトで元が取れるもの（高級肉や家電）

20,000円コースは、結婚式の引き出物では親族や上司向け、あるいは会社の永年勤続表彰などで見られる高額コースです。

ここまで来ると、掲載商品は「デパ地下」や「家電量販店」の主力商品と遜色ありません。

掲載される商品の品質が安定しており、比較的どれを選んでも満足度が高い傾向があります。

この価格帯の正解はこれ！

この価格帯の「お肉」は本物です。

スーパーでは絶対に見かけないような、見事なサシ（霜降り）が入った肉が届きます。

また、一生モノの鍋（ストウブやル・クルーゼ）が掲載され始めるのもこのラインです。

これらは定価が2万円前後するため、カタログで手に入れるには最高のアイテムです。

約30,000円のカタログギフトで元が取れるもの（大型家電や体験ギフト）

30,000円以上のカタログギフトは、かなり特別な贈り物です。

このクラスになると、モノだけでなく「体験」の質が跳ね上がります。

この価格帯の正解はこれ！

3万円クラスでは、体験ギフト（宿泊券・食事券）が特に満足度が高い人気ジャンルです。

通常、1泊2食付きで1人15,000円以上のプランは、かなりしっかりした旅館に泊まれます。

それがペアで手に入るため、満足度が段違いです。

「カタログギフトで温泉旅行に行ってきた」という思い出は、どんな高級なバッグをもらうよりも長く心に残るでしょう。

約50,000円のカタログギフトで元が取れるもの（高級ホテルや和牛セット）

50,000円〜10万円クラス。

これはもう「ボーナス」をもらったようなものです。

高額のお祝いや、特別な功労賞などでしかお目にかかれない代物です。

このレベルのカタログには、誰もが憧れる超一流品しか載っていません。

50,000円以上のコースでは、高級旅館・ブランド家電・頒布会など総じて品質が高く、満足度の高い商品が多く掲載されます。

この価格帯の正解はこれ！

特におすすめなのが「頒布会（定期便）」です。

一度の申し込みで、「今月は松阪牛のステーキ、来月は神戸牛のハンバーグ、再来月は近江牛のローストビーフ」のように、数ヶ月にわたって商品が届きます。

一度きりの贅沢よりも、毎月ピンポーンとチャイムが鳴り、美味しいものが届くワクワクが半年続く体験。

総額で見ると原価率も非常に高く設定されていることが多いです。

【まとめ】カタログギフトの原価率は実際どうなのか？

ここまで、カタログギフトの原価率と賢い選び方について解説してきました。

最後に、改めて重要なポイントを整理しましょう。

カタログギフトは、贈り主からの「好きなものを選んで喜んでほしい」という温かい気持ちが込められたギフトです。

しかし、その分厚い冊子の中から本当に価値のあるものを選び出し、贈り主の気持ちを無駄にしないことは、受け取ったあなたの「目利き」にかかっています。

「どうせタダでもらったものだし、どれでもいいや」と適当に選んでハガキを投函するのは、今日で終わりにしましょう。

この記事で紹介した「原価率の視点」というメガネをかけて、もう一度ページをめくってみてください。

きっと、今まで見えていなかった「お宝商品」が、ページの向こうからキラキラと輝いてあなたにアピールしてくるはずです。

あなたが最高の「当たり商品」と出会い、届いた箱を開けた瞬間に「これを選んでよかった！」と笑顔になれますように。

当ブログでは著者の体験談を踏まえたお得・節約情報を記事にしておりますので、ご覧いただけければ幸いです。

それではー。

にほんブログ村